2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧
病床にある子規と、海外へ羽ばたく秋山兄弟が対照的に描かれる。第2巻のテーマを与えるとすれば、「ナショナリズムの発揚」だ。本書を読み読者は、列強のアジア政策に対するナショナリズム発揚の様子を追体験する。明治の時代は、資本主義の最も醜い部分が発…
「心臓から溢れ出した声に・・・」、とのっけから尖った言葉で私の心を突き刺してくる。お盆の暑さに負けて、テレビを見ているだけなのに、この曲を聞くとまるで甲子園に立たされているかのような錯覚を覚える。 たかがスポーツ、勝った負けたなんてその後の人…
維新から日清、日露戦争にかけて活躍した四国松山出身の若者たち、秋山好古、真之兄弟と正岡子規を描いた歴史小説。第一巻にテーマを与えるとすれば、人生の選択だ。革命直後の日本で、賊軍として扱われた藩の若者達は、無差別階級の新たな世の中に希望を求…
日常に嫌気が差した男が、自らの命を売る稼業をする話。突飛なことで誰かから承認を得ることに焦がれる主人公は、さながらイタズラ動画で再生数を稼ぐYouTuberを見ているように感じる。自分を無価値だと設定することによって、全ての自由が得られる、という…